民法には相続分の規定がありますが、被相続人が有効な遺言書を残していた場合は、民法の規定(法定相続分)よりも遺言書に記された内容(指定相続分)の方が優先されます。従って、遺言書があるか無いかで相続人間の具体的な相続分は異なってくるでしょうし、その後の手続きについても大きく変わってきます。

 また、相続人全員で遺産分割をした後に遺言書が出てきた場合、その内容によっては、相続人以外の人が受遺者として加わったり、相続分が変わったりして遺産分割のやり直しなんてことになる可能性もあります。ですから、相続が開始したならば残された人たちはまず第一に遺言書の有無を確認しましょう。

 公正証書遺言の場合は、遺言者が遺言書を作成した際に、遺言者本人にその正本と謄本が交付されているはずですけれど、仮に紛失してしまっていたとしても作成した公証役場には原本が保管されています。平成元年以降(昭和64年1月1日以降)に作成された公正証書遺言については、亡くなった方の相続人や利害関係人であれば、公証人に依頼して公証役場の「遺言検索システム」を利用することにより、日本全国の公証役場に保管されている遺言書について有無を確認できます。

 検索の方法としては、最寄りの公証役場に電話予約をし、予め遺言者の氏名・生年月日を伝えておきます。予約した日には、遺言者が亡くなっていることを証明(遺言者が生きている間は遺言者本人でないと検索できません)するために除籍謄本等、検索を申請する人が相続人であることを証明する戸籍謄本等、本人確認のための運転免許証と印鑑または印鑑証明書と実印を持参します。

 手数料については、検索の結果遺言書が存在し、それを閲覧する場合は200円程度、謄本をとる場合は、枚数や部数にもよるそうですが、何千円程度かかります(具体的な金額については最寄りの公証役場に問い合わせてください)。但し、遺言書の存在は判明したものの、それが他の公証役場に保管されている場合、閲覧等をするにはその公証役場へ行く必要があります。

 自筆証書遺言の場合は、被相続人が生前利用していた書斎なり、鞄、書類戸棚、金庫など心当たりのある場所を慎重に隈なく丹念に探すしかありません。しかし、存在するかどうかも分からない遺言書となるとなかなかそうはいきません。

 遺言者の立場からすれば、せっかく残された者たちの幸せを思って書いた遺言書なのに発見されなければ何もなりません。ですから自筆証書遺言を作成したならば、家族に対して「遺言書、書いたぞぉ」と伝えておくとよいでしょう。封をした上で「金庫に入れてあるからな」とか「神棚に祭ってあるけど中見るなよ」などと言ってその存在をアピールしておくべきです。

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