ホームページなるものを作ってはみたものの、最初の1か月2か月は何の音沙汰もなく、本当に見ている人間はいるのか知らん、と思っていた。ICTに疎かった私は(今でもほとんど分からんが)、本当に自分のホームページは他人が閲覧できる状態にあるのか、などと疑いながらも、未完成であり照れ臭くもあって友人知人に開設を伝えられずにいた。

 やがて聞いたこともない会社(多くは東京)から営業の電話がかかってくるようになったが、日本行政書士会連合会の検索システムで連絡先は分かるので、それをもとに新人の行政書士に営業をかけてる可能性もある。ホームページの「アクセス解析」で示される数字があるにはあったが、機能を熟知していない私にはあまり実感をもって閲覧者像をイメージさせなかった。

しかし、そうこうするうちに「SEO対策がどうの」「検索ワードがこうの」といった言葉が営業マンのトークに聞かれるようになった。

「この人、ホームページ見たのかも・・・」

とちょっとほくそ笑んだものだが、やがて営業トークの中でホームページの不出来をやんわりと批評してくれる営業マンがでてくるに至り、閲覧者の存在が、しかも私の方からアドレスを教えたのではない閲覧者の存在が明らかとなった。「見られてるぅぅ〜っ」と思いつつも極めて冷静に電話を切ったあとで小おどりしそうになったのを覚えている。営業マンは自社の商品やサービスを売り込む目的で色んな検索手段を使い、血眼になって顧客を捕まえようとした結果、たまたま私のホームページを訪れたのだろう。だが、「こんなの見てる人いるのか」と消極的な気分でいた当時としては感激したし、実際今でも嬉しい。

  私はかかってきた営業の電話に対してはすべて断るつもりで出ている。ただ、何らかの売り込み電話だと分かった途端に、その内容も聞かずに切るといったことはしないようにしている。一応営業マンのトークを時間の許す限り聞く。たまに2、30分に及ぶ商品説明がなされることがあるが、(最終的には断るのにこんなに説明させて悪いな)と内心思いながらも聞いている。何故ならそれは単純に、自分が逆の立場で、しかも案内している商品やサービスに対して自信がある場合、説明の機会が与えられないのは非常につらいだろうと感じられるからだ。

私自身、自営業者でありお客さんにサービスを提供する立場の者だと自覚している。だから営業マンのトーク、言葉遣いや態度は大変参考になり、できるだけ聞いてみたいという思いもある。営業マンには「時間の無駄なので、断るならできるだけ早く断って欲しい」と思うタイプもいるだろうから、そういう人にとっては迷惑この上ない相手である。そんな営業マンには「時間をとらせてごめんなさい」と予め謝罪しておきたい。

私の場合、生活する上で、また仕事の上で欲しいと感じたり必要だと思ったものは自分から調べ、自分にとって適したものを探したのちに手に入れたり、場合によっては我慢したりする。なので、知らない他人から突然紹介され、勧められたものに直ぐに飛びつくことはハッキリ言って無い。しかしこの世の中には私の知らない物事が無数に存在するわけなので、いきなりハートを打ち抜くような商品・サービスを携えた営業マンがベルを鳴らさないとも限らない。そんな夢のような期待を意識のほんの片隅に持ちつつ、ホームページを見てくれた営業マンのセールストークを今日も有難く聞いている。(2011.5.27

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