日本で起きた大震災に対して、数多くの国々や個人が支援の意思を表わし、実際に被災地での救援活動に人員や物資を提供してくれてもいる。メディアを通じてしかその内容を知ることはできないが、すべての日本人が感謝しているに違いない。

また、一部の報道で各国の反応として「物資を求める被災地の人々がスーパーやガソリンスタンドに整然と列をつくっていて、暴動や略奪の素振りもないことに驚嘆する」といった旨の記述が見られるが、私のような平凡で世間の狭い日本人からすると「よその国ではこういった際には略奪などが当然のように頻発するのか」と逆に驚く。


 日本人は「平和ボケ」とか「危機意識が足りない」と指摘されることがある。どこかよその国なら「暢気に列に並んでいて自分の前で物資が無くなったらどうするんだ」と危機感丸出しなのだろう。そういった国の人々からすれば日本人は愚鈍に映っているだろうか。この震災に関しては起こっている出来事、目の前の光景のあまりの非常識さに認識が追い付かず被災者は呆然としている部分もあるのかも知れない。しかし仮に人々が我先にと物資を奪い合う様を報道で目の当たりにすれば、他の国々はおろか、日本人ですら救援したいという気持ちに幾らか抵抗が生じるのではあるまいか。落ち着いて礼儀正しく健気に譲り合っている様子を見るからこそ心から被災地を支援したいと感じるのであろう。人の物を奪おうとする人間に好んで物を与えたいと思う人がいるとは思えない。これは日本人だけの感覚ではないと思うので、「暴動や略奪」が起こる国の人々は自らの危機に敏感過ぎて前後不覚に陥ってしまうのだろう。


 ただ日本人の場合、良かれ悪しかれ、物事を受け入れてしまう性質、諦めてしまう性質が体のどこかにインプットされているのかも知れない。また日本人はこうすれば支援が受けられるとの打算で整然と列を作っているのでは決してない。協調性や社会性の高さ、冷静さ、忍耐強さ、慎重さ、寛容さ、諦念などが綯い交ぜとなってできた行為であり、日本人の凄さの一つだろう。


 東北の人は辛抱強いといった勝手なイメージがあるが、いずれにしても限界はある。この期に及んでは、「誰が悪い」だとか「手際がどうだ」
とか、ただ批判している暇はない。被災者と被災者の救援に当たっている方々、新たな被害の拡大を阻止しようと体を張っている方々が十分に活動できることを最優先にして国民が協力しないと。


 被災地域外の我々一般人が現地へ赴き活動することは現実的には無理であり、分相応の義捐金や物質的支援しかできない。それでもメディア等の断片的な映像を手掛かりに絶えず被災地の現状に対し想像力を働かそう。そして気力・体力も充実させておきたい。


 現在、被災地の方々が全世界に日本人の凄さを見せておられる。これからはすべての日本人がそれぞれの役割を考え、果たすことによって、国を挙げて日本人の凄さを示し、世界中の人々にご覧いただこうではないか。 (
2011.3.17)

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